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病的歯牙移動(後天的な出っ歯など)
もともと問題の無かった歯並びなのに、口腔内に何らかの問題を起こして後天的に歯が移動してしまうことを「病的歯牙移動」といいます。
50歳女性が歯石除去を希望して来院された時のことです。実は、今回来院しようとされた理由がもう1つありました。
それは、毎日口紅を塗る時に、前歯がどんどん前に出てきたように感じるということでした。
上顎前歯には隙間があり、下顎前歯にはわずかな叢生があります。ぜひ出っ歯を元に戻したい、とご希望されましたが、唇は完全に閉じることが難しくなっており、骨の破壊がかなり進んだ状態でもありました。口腔内は、歯石やプラークの沈着が見られ、歯周病はかなり進行していました。
もともとはきれいに並んでいた前歯。
歯周病が進むと、まず咬合力を支えている臼歯部が一部喪失したり傾斜を起こしたりします。そして、歯の喪失や傾斜は、上下顎の咬み合せの基準位置を狂わせてしまいます。この臼歯部での咬み合せ位置のズレは前歯では、ほぼ3倍に増幅されると考えられています。
臼歯部のわずかな基準位置からのズレも、下顎前歯は上顎前歯を大きく突き上げることになり、結果として、前歯は前に張り出してしまうのです。
【治療前】
【治療後】
最近出っ歯になったと感じるのは、直接的には、下顎前歯が上顎前歯を突き上げているからです。改善のためには、矯正治療で上顎前歯を舌側へ引くことが改善と思われますが、その前提として、まず、歯周病の感染部位を除去し、臼歯部の傾斜を元の位置に起こすなどの、下顎前歯の上への突き上げを取るアプローチが必要となってくるため、必然的に、矯正期間が長くなる可能性が高くなります。
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